MARCAI についてジム・ロジャーズ氏が語ったインタビュー

さて、一つ前の記事で紹介したマッコーリー&ロジャーズ・チャイナ・アグリカルチャー・インデックス(MARCAI)ですが、それに付随して、ジム・ロジャーズ氏が語ったインタビューがありましたので、ここに、そのビデオ・トランスクリプトを採録しておきます。ただし、オリジナルページの翻訳に一部間違い(主語と目的語が逆)があるので、当サイトでは、それを訂正したものを採録しておきます。



−あなたは長年にわたりコモディティーの長期的な成長を主張されていらっしゃいますが、この場を借り、昨今における構造変化や信用収縮がコモディティーに関するあなたの長期的な見解に影響を与えているかについてお伺いしたいと思います。
「それは決してありません。誰一人としてより多くの小麦を栽培してはおりませんし、石油を発掘してもいません。つまり、新たな供給源はないのです。仮りに何かあるとすれば、我々が皆この金融問題を抱えており、新規の鉱山、石油、農地開発への金融支援がより少ないという現状です。さらに悪いことに、それは需要と供給の問題であるということを覚えておいて下さい。」
「多くのコモディティー分野において供給が大幅に減少しつつありますので、たとえ需要が減少したとしても、供給はそれよりもさらに減るでしょう。したがって、依然として上昇相場だと言えます。」

−あなたは、長年の間、中国の上昇相場を主張されており、米中間の“パワー・シフト”についての討論に参加されていました。最近の市況動向を考慮した上で、その見解は変わりましたか?それとも、ご自身の見解を更に認識することになりましたか?
「いいえ。 21世紀は中国の世紀です。それには何の疑問もありません。アジアと同様、中国が権力と栄光に向かって上昇するまでの道のりには障害があるでしょう。」
「米国にはとてつもない障害がありました。英国もそうです。けれど、彼らはうまくその障害に対処し、権力と栄光を握ることに成功しました。中国も同じでしょう。その考えを変える理由は何もありません。世界中で起こっていることが、それを変えることはありません。」

−インデックスはマッコーリーとのジョイント・イニシアティブですが、どうしてマッコーリーなのでしょうか?
「マッコーリーは、原料物質・天然資源コモディティーに関して長い伝統を持っています。つまり、豪州全体の経済は天然資源が基盤となっています。マッコーリーには、多くの優秀な人材がいて、アジアでの規模も非常に大きいです。原料のこともよく知っています。 」
「私は、マッコーリーでない理由がありますか?と問いたいですね。 」

−実際は他のほとんどのコモディティーインデックスがグローバルにフォーカスしている一方で、このインデックスが単一国にフォーカスしているというのは、非常に珍しいと思います。どうしてこのような提案をされたのでしょうか? 新たな種類のインデックスの始まりですか?
「今後、これが何かの始まりかどうかなど誰がわかるでしょうか。もしこれが上手くいけば、もちろん我々はその他様々なことができるかもしれません。しかしながら、中国は人口の数からすると世界最大国ということに疑う余地はありません。そして、世界で最も急速に成長しており、障害はあると思いますが、中国は最適な国です。」
「もし急速な経済成長への参加を求めているならば、中国を選択すべきです。そして、中国への最適な投資方法の一つがコモディティーへの投資です。中国はコモディティーを購入せざるを得ません。」
「中国の株式を購入することも可能ですが、コーポレート・ガバナンスや中央銀行、その他無数のことを心配する必要があります。しかし、その反面、中国人のコモディティーに対する需要は確実なもので、コモディティーに投資すれば、まだ安心です。 彼らはあなたに親切にしなければならないでしょう。 食事に連れて行ってご馳走してくれたり予定通りに支払いをしたりするでしょう。中国に投資する最適な方法の一つは、コモディティー投資です。」

−何故あなたが予想している様に中国が世界の農産物価格に影響を与えるのか、一つ、コモディティーの具体的な例を挙げて説明していただけますか?
「25年前、中国に初めて行った時に、“今日はもう食べましたか?”という挨拶が道で会う人によく言われていました。ちょうど私たちが“こんにちは、お元気ですか?”と挨拶するようにです。過去100年間、中国人はそれほど豊かではなく、食べ物が乏しかったことを忘れてはいけません。昔、色々な問題がありましたが、今はそれは変わってきています。」
「25年前は、数多くの中国人が鶏肉を食べたことがなく、豚肉も年一回あるいは特別なイベントでしか食べていませんでした。一生に一度。しかし、状況は劇的に変わっています。」
「中国人は色々な材料(綿、シルク、羊毛など)で作られる服を着始め、食べる量も増えています。ランニングシューズなどゴム製品もより多く消費していくでしょう。要するに、全ての商品の消費が増えます。ですから、中国が発展するにつれて、中国の発展による投資機会への最も有益な投資方法は、農業関連のコモディティーへの投資です。どうぞ好きなものをお選びください。10年前、中国は綿を輸出していました。今、中国は世界最大の綿輸入国の一つです。10年前、中国は砂糖を輸出していましたが、今は、砂糖を大量に輸入しています。人々が豊かになればなるほど、甘いものが好きになることから、砂糖の消費量が増加します。それに加えて、数多くの人が自動車などに動力を供給するため、砂糖を原料とするエタノールを使い始めています。ですから、綿と砂糖を含め、どんな例でも挙げられます。」

−中国人の消費傾向にあまり該当しなさそうないくつかのコモディティーがインデックスに含まれています。例えば、ミルクとオレンジとココア。なぜそういったものを含めていますか? 将来、他のソフト・コモディティーも加えると思いますか?
「中国人は理論的に言えば乳糖不耐症です。もし今中国に行ったら、ピザ・ハットがあらゆる所で流行っているのを目撃するでしょう。中国人は乳糖不耐症かもしれませんし、少なくとも過去にはそう教えられていました。しかし、彼らは多くの乳製品を消費しています。何世紀にもわたって牛乳を消費してこなかったので、今、牛乳を発見し、色々な使い方で消費しているのです。」
「ココア。中国の経済が原因で、この100年間、中国人は甘いものをあまり食べていませんでした。しかし、それも変わっています。世界の全ての人々は甘党で、チョコレートは大変人気があります。ですから、チョコレートには将来大きなブームが来ると思います。オレンジ・ジュースも同じです。多くの人がオレンジ・ジュースを好みます。多くの人々はオレンジ・ジュースを一度飲むようになると、たくさん飲むようになるようです。何世紀にもわたって、中国はオレンジ・ジュースを消費してきませんでした。今、中国人はオレンジ・ジュースの美味しさに気づき、これからは他の人々と同じようにたくさん飲むようになると思います。」

−70年代にあった相場の急上昇の原因は何ですか?それが再び起こる可能性はあると思いますか?
「それは再び起こると確信しています。今、すでにその傾向が見え始めています。70年代に起きたことは、需要と供給が大幅に不均衡になり、人々が世界中の数多くの物の供給を消費してしまったことが原因です。一部の場合には、気候問題により状況は更に悪化しました。そのため、大きなブームになりました。70年代に砂糖の価格は8年間で47倍になりました。」
「そのようなことはまた起こると思います。ただ今回はもっと悪い事態になるかもしれません。食品在庫は、過去50年から60年の間で最も低い水準となり、麦栽培に使われる土地面積も、この30年間に減少しています。ご存知の通り、いくつかの農産物は、食品としてではなく、自動車に動力を供給するための燃料として使われ始めています。様々なことが変わっています。ですから、コモディティーにおいては、世界の供給が増えていないので、近いうちに相当な上昇相場が訪れると思います。現在、種、肥料、トラクター、トラクター・タイヤなどが不足しています。」
「今、農業従事者も不足しています。 この30年間に農業は非常にひどいビジネスになってしまい、農業従事者になった人の数はごくわずかだということをご存知でしょう。お知り合いには、金融機関に就職した人、ジャーナリスト、もしくは、弁護士になった人は多いでしょう。あなたの大学を出た友人で農業従事者になった人はいないでしょう。今の農業従事者は全て高齢者です。農業従事者も不足しているのです。」

−コモディティーに投資する時期として今が適していると思いますか?
「実を言うと、私は市場の上昇などのタイミングを図るのが非常に苦手です。また、あなたは、一生のうちに会う人の中で、私が最悪の短期トレーダーだということを約束します。ですから、今が最もいい時期かどうかについてはわかりません。しかし、私は、皆が農業関連コモディティーに投資すべきだということを知っています。最近、私も更に投資を増やしました。私は、アグリカルチャーは今後5年から10年に起こる数少ない上昇相場の一つだということも知っています。」
「自動車メーカー、金融機関、その他諸々においては、上昇相場は期待できないかもしれませんが、世界の人々が食べるのをやめるわけにはいかないことを私は知っています。車通勤をやめて、会社へ歩いて通うことは可能です。しかし、食べること、衣服を着ることなどは、生活において必需です。私は、全ての農業関連コモディティーの供給がプレッシャーにさらされていることを知っているのです。」
「たとえ世界が終焉を迎えたとしても、アグリカルチャーは数少ない投資すべき対象の一つなのです。その他の何よりも、アグリカルチャーに投資したいと思います。」

(完)

(出典)
・Macquarie and Rogers China Agriculture Index: Interviews with Jim Rogers

ジム・ロジャーズ「中国の時代」
posted by ジム・ロジャーズ | TrackBack(0) | WEBインタビュー情報

『アメリカ、数十年は衰退』ジム・ロジャーズ(NHK・新BSディベート)

NHKで8月23日の日曜日に放送されたNHK新BSディベートという番組にジム・ロジャーズ氏が出演し、現代のアメリカ経済について発言しました。

<NHK 新BSディベート>
今回のテーマ 『復活か 衰退か どうなるアメリカ経済』
8月23日22:00〜22:59放送分
出演者と主張:
浜 矩子
勝間 和代
武者 陵司
藤井 英彦

海外からの出演者:
ジム・ロジャーズ
ラクシュマン・アチュサン

この番組でのジム・ロジャーズ氏の発言内容は、以下のブログにログがあります。

浜矩子語録(77)「アメリカ、数十年は衰退」、ロジャーズ(NHK・新BSディベート)

また、新BSディベート出演の勝間和代さんのブログでも、ジム・ロジャーズ氏との2ショット写真が掲載されています。

憧れの投資家、ジム・ロジャーズとスリランカにて

ジム・ロジャーズ「娘に贈る12の言葉」
posted by ジム・ロジャーズ | WEBインタビュー情報
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