ジム・ロジャーズの言葉ミニスペシャル 『伝説的人物からの教訓』

ジム・ロジャーズの言葉ミニスペシャルです。久しぶりにドキュメントエッセイ(随想録)を取り上げます。ロジャーズ氏は、現在、シンガポール在住であることは周知の事実なのですが、現在でも、アメリカのフロリダ州に邸宅があります。その理由には意外な経緯がありました。商品トレーダーで投資コラムニストのマシュー・ブラッドバード氏がロジャーズ氏の講演から随想したこととは・・・。ドキュメントエッセイ(随想録)なので、読みやすさを考慮し、そのまま全文翻訳することにします。

Jim Rogers: Lessons from a Legend
ジム・ロジャーズ『伝説的人物からの教訓』

昨夜、私(Matthew Bradbard)は、ジム・ロジャーズ氏に会うために、マイアミへと旅立った。彼の最新の著作・A Gift to My Children(「娘に贈る13の言葉」の逆輸入英訳本)にサインしてもらうためだ。(セミナーでは、)彼は、この地球を3年間かけて回った旅の話を短くした後、彼は、この本について少し話し、聴衆から質問を受けていた。

ジムは、「私は、ひどいマーケット・タイマーである。」と、何度も言っていた。彼は、「この部屋の中では最悪ではないが、世界中では最悪である。」とまで言っていた。とても謙遜しながら。

ジムの主要な邸宅は、シンガポールにあるが、彼はまた、ここフロリダにも邸宅があり、住んでいる。私が面白いと思ったのは、彼は、家を借りていて、ここフロリダで家を所有していないということである。

アメリカの不動産市場がクラッシュする前に、ニューヨークの豪華な邸宅を売ってしまい、ここフロリダで家を借りていたという事実は、不動産市場に関しては、彼のタイミングはさらに良いものであることを意味しているかもしれない。

「たいていの人々よりも後々まで待ったけれども、人生における最も誇るべき偉業の一つは、子供を持ったということである。」と、彼は言っていた。現代で、最も成功した投資家の一人として、この本は、彼が最もなりそうな父親に関する内容を話している。彼は、家族とシンガポールへ引越しただけでなく、彼の2人の娘たちは、流暢な中国語とスペイン語を話すようになっている。

彼は、彼の銀行口座については詳細を明かさなかったが、彼の2人の娘たちは、米ドルの口座ではなく、スイスの銀行に口座を持っていると言う。これは、米ドルについての彼の見方を象徴しているものなのだろうか。

彼は、今、アメリカ長期国債をショート・エクスポージャー(売り持ちリスクにさらすこと)をしていない。現在、彼は、考えている。この複雑な債券市場の何十年にもわたる強気相場は終わった、と。そして、彼は、近い将来、債券市場で大量のショート・ポジションを持つだろうということを信じている。

聴衆からの質問の一つは、MBA(経営学修士号)を取ることに関係していた。ジムの答えは、それはもうたくさんの言葉で、「MBAなんて、まったく金と時間の無駄遣いだ!!」というものだった。彼は、MBAよりももっと価値ある体験ができるであろうと言って、世界中を旅して回ることを提案していた。「向こうのそうそうたる大学のどこかに行くよりも、ボストンでバスタブに浸かって座っている方がもっと勉強できるはずだ。」とまで、彼は言っていた。

ジムは、中央銀行が行っている現在の政策と、潜在的で深刻なインフレーションは全く避けることができないということについて、ほとんど良く言うことはなかった。彼は、「長期金利は、さらに跳ね上がるだろう。」と予想する。(債券相場の)時間枠の見通しを与えることはなかったが。もしも紙幣印刷機が、現在のペースで印刷し、木々を消費し続けるならば、アメリカの森は丸裸になるかもしれない、と彼は冗談で言っていた。

彼が言っていたと私が思い出す不動産に関する唯一のアドバイスは、「ミッドウェスト(中西部)の農地を買え!」ということである。それは、彼が予想する商品価格におけるブームの利点を生かすためだ。

過去の商品相場の強気サイクル(周期)は、彼の見方では、18年から20年、続いていた。そして、現在、我々は、その新しい強気サイクルの中の10年かそこら辺のところに居る、と言う。

商品トレーダーとして、私が最も面白いと思うことは、彼のジャケットのポケットの中には、金貨と銀貨、そして、砂糖の小袋が本当に入っていることである。これは、おそらく講義のポイントを示すものなのだろうが、実際、私や他の聴衆メンバーのハートを撃っていた。

私が最も衝撃を受けたことの一つは、この部屋やアメリカ、そして、世界中で商品に投資している一般人口(トレーダー)がいかに少ないか!だった。しかし、それは、変わって行くだろう。次の5〜10年間で深い利益を上げるために耐え、訓練を積んだ者たちが現れることを、私は信じている。

下の表を見て欲しい。過去にはどんな安値やどんな高値があったかを見渡すためのいくつかの商品・通貨・指数の歴史的価格表である。そして、現在、我々が居るところもわかる。ただし、この図は、インフレ調整されていない。ロジャーズ氏は、自分のことを恐ろしいマーケット・タイマーであると言っていたけれど、彼は、価格が下落した時に買えるように、また、価格が上昇した時に売れるように、我々にいつも(このような表を)見ていることを提案していた。

(完)


(出典)seekingalpha.com
・Jim Rogers: Lessons from a Legend

ジム・ロジャーズ「娘に贈る13の言葉」

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ジム・ロジャーズの言葉ミニスペシャル 『ジム・ロジャーズが見る−金はなぜそんなに明るく輝いているのか』

ジム・ロジャーズの言葉ミニスペシャルです。金の史上最高値更新が止まりません。そんな折、ロジャーズ氏にビジネスウィークがインタビューを行っています。ロジャーズ氏は、金高騰と通貨不信、農地、アフリカへの投資の有望性について、説明しています。英文は、オリジナル翻訳しています。



Interview with Jim Rogers: Jim Rogers on Why Gold Is Glittering So Brightly
ジム・ロジャーズ:『ジム・ロジャーズが見る−金はなぜそんなに明るく輝いているのか』

(BusinessWeek.com:Maria Bartiromoのインタビューで)

−金は、ご存知のとおり、今日、史上最高値を更新しました。ロシア中銀が何十億も買っておりました。金は、どのくらい高値まで行くのでしょうか?
「ああ、私も金を保有しているし、しばらく持っているよ。金は、どのくらい高く行くかって?私は、金は、次の十年間では、確実に1オンス=2000ドルを超えることを完全に予想している。来月じゃないよ。来年でもない。私は、次の十年間で、と言っているんだよ。なぜなら世界中の紙幣(の価値)が疑わしくなっているからだ。しかし、現在、誰もが、金について強気だ。そうして、こんな上昇が起こっている時に、私は、そういう(割高な)ものを買うのは好きではないんだ。しかし、どんな状況下になっても、金を売ったりはしないけどね。」

−この助走段階の陰には、何があるのですか?各国中央銀行による“買い”は、今までの方程式を変えましたか?それとも、これは、依然として、需要の話なのでしょうか?
「確実に需要の話である。私はいつも言ってきたのだが、なぜなら、みんな、とても莫大な額の紙幣を刷っている。世界中の人々は、みんな、その紙幣について心配している。しかし、あなたにとっても中央銀行はあるだろう。その中央銀行は、5年前は、金を売っていた。しかし、今、金を買っている。そうして、それは、市場における大きな変化だ。各国中央銀行は、(怖がっている)世界中の他の人々のようだ。彼らは、まさに大衆の後を追っている。今、買うためには、おそらく金よりもさらに良い商品が他にもあるだろう。しかし、あなたは、それを中央銀行に言うことはできない。なぜなら彼らの頭の中は、金を得ることだけだからね。」

−どのくらいの助走段階が、アメリカによって牽引されていますか?財政赤字(負債)と弱くなっている米ドルによってですか?
「莫大な量の赤字は、まさにアメリカのものだけじゃない。すべての赤字のことなんだ。赤字は、世界中、ほとんどどこででも暴れ狂っている。歴史を通して見ても、紙幣の大量発行は、さらに弱い通貨を生み、実物資産の価格の高騰を導いている。そして、多くの、多くの米ドルに関する悲観主義者がいる。私を含めてね。そして、多くの悲観主義者は、わずかな上昇がやって来ることを疑っている。なぜそうなるかはわからないけれどね。しかし、あなたがこのような多くの弱気派が同時に居るのを見る時、物事は、たいてい、上昇を導いている。私は、実際、いくらかの米ドルをさらに買ってきた。つまり、それは、重要なポジションではないということなんだ。しかし、私は、1ヶ月前に保有していたよりも、さらに多くの米ドルを保有している。我々は、(金は、)おそらく良い調整期間を持つだろう。なぜならこれほど多くの金への強気派が居るからだ。」

−そうして、あなたは、あなたが投資機会としてさらに良いと思っている他の商品を見ているのですね?
「もしもあなたが貴金属を買いたければ、銀か、パラジウムを買った方がむしろ良いだろう。銀もパラジウムも両方とも、とても下落している。私は、他のいくつかの商品よりも、農産物についてはさらなる楽観視を継続している。」

−当ビジネスウィークは、今週、記事にしたのですが、世界の投資家は、アフリカの何千エーカーもの農地に飛びついています。サウジアラビアからウォール街のファンドまで、どこからのマネー(資金)も大量に注入されています。なぜ突然アフリカに焦点が当たっているのですか?
「アフリカの莫大な耕地面積は、未耕地のままである。なぜなら、十分なインフラストラクチャー(社会基盤)、十分な農業機械、十分な農業技術、十分な肥料がないからだ。私は、次の数年間には、世界は、莫大な食糧問題に遭遇するだろうと思っている。他の人々もまた、その問題を見ているようである。そうして、彼らは、農地を買い上げている。あなたも農地を買ったり、貸したりすることができる。農地は、とても、とても安い。そして、信じられないほど肥沃である。そして、農地は、長い間、不当に利用されてきた。もしもあなたがいくらかの専門知識と機械、肥料を持っていたら、あなたは多額のお金儲けをすることができる。(農業は、)労働者は安い。何もかもが安い。」

−そうして、あなたは、アフリカが良い投資先だと思っているのですね?
「アフリカはすばらしい投資先だと思っている。今、アフリカには、50を越える国がある。そうして、あまりに大きくて、我々は、それらを総体的に一般化することはできない。しかし、つまり、例えば、コンゴでは、あなたは何も植える必要がない。あなたは、長い道の端でじっと座っていれば良い。何かが自然と育つだろう。そういうわけで、私は、アフリカにはとてもとても楽観的なんだ。」

−2010年の商品に関するあなたの概観は、何ですか?
「それがわかるほど賢くないよ。(笑)しかし、これだけは言えるだろう。もしも世界経済がさらに良くなれば、増大する不足のせいで、商品は、投資すべき最良の場所の一つになるだろう。そして、もしも世界経済がさらに良くならなくても、商品は、依然として、投資すべき場所の一つであり続けるだろう。なぜなら各国政府がこのお金全部をせっせと刷っているからだ。」

−ティム・ガイトナー(財務長官)は、最近、攻撃の風当たりにさらされています。彼は、どのようにすべきでしょうか?
「よく聞いて欲しい。私は、何年も(彼を)批判してきた。ガイトナーは、誰にも任命されていない。(=彼が財務長官に居る資格はない。)彼は、この15年間、何もかもについて、まさに間違いをし続けている。」

−あなたは、彼が失職すると思いますか?
「もちろん、彼は、失職するだろうね。なぜなら、オバマ氏は、ガイトナーが自分のしていることを何もわかっていないということに気づいたからだ。オバマ氏は、誰か他の人を探しているだろう。なぜなら、もうオバマ氏自身プレッシャーに耐えたくないからね。そうして、彼は、誰かを責めるようになるだろう。その矛先は、明らかにガイトナーだ。」

(完)

参考情報⇒金が1200ドル突破、昨年の原油急騰相場と似た展開も
(出典)businessweek.com
・Jim Rogers on Why Gold Is Glittering So Brightly

ジム・ロジャーズ「娘に贈る13の言葉」

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