ジム・ロジャーズの言葉スペシャル

ジム・ロジャーズ氏が、先日、ニューヨークにおいて、ヘッジファンドの会合時のインタビューで話された内容の英文翻訳記事です。


−アフリカへの投資に関して
(ジム・ロジャーズ氏のアフリカに関する過去の発言を振り返って)
「アフリカについてはみな知らされていなかった。ザイール(コンゴ民主共和国)に予言することは、差し迫った崩壊である。」
「1960年から65年にかけて起きたコンゴ危機を勘定に入れないとすれば、ザイール(コンゴ民主共和国)は、まだ、民主化のための市民戦争を経験していない。」
「もちろん、私は、1965年にザイールで何が起こっていたかを知っていた。そして、それはクーデターであって、市民戦争ではない。」
(ザイールでは、1965年に、時の商務大臣・モブツ氏がクーデターを起こし、成功し、1995年まで、モブツ大統領の独裁政治が続いた。)
(その後、二度の内戦を経験し、政府軍、反政府軍、各武装組織が入り乱れての収拾のつかない内戦状態となり、現在も政情不安定となっている。)
(では、現在、ジム・ロジャーズ氏はアフリカをどのように見ているのだろうか?)
「私は、アフリカに、もう20年近くの間、投資してきている。」
「ザイールは、アフリカ大陸に歩み寄りながら、この2、30年の間に、さらに良くなっているように見える。」
「その改善の多くは、中国からの投資において牽引(けんいん)されている。その国が、中国の爆発的な成長を養うために必要な天然資源を供給してくれるようにね。」
「アフリカは、世界の主要な製造業のセンター(中心地)ではない。」
「中国がアフリカにかなり重点的に投資しているその理由は、アフリカ大陸は、商品(コモディティ)の主要な源泉地だからである。」

−世界的インフレーションと中国経済に関して
「私の物の見方では、中国における未来の成長トレンドと、農産物を含む世界の商品価格への中国の影響を注意深く見ることである。」
「深刻なインフレーションの問題がある。しかし、それは、多くの国々へ影響していることに気づいて欲しい。」
「いくつかの政府は、インフレに関して、嘘(うそ)をついている。中国、ノルウェー、オーストラリアのような国々は、嘘をついていない。」
「問題の部分は、通貨のインフレーションの度合いにある。」
「中国は、彼らの通貨(人民元:CNY)を上昇させるべきである。そうしたら、通貨は、現在の物価レベルで、たくさん助けてくれるだろうに。そして、彼らは、物価調整(価格統制)もまた緩めるべきだ。」
「価格をその自然なレベルまで上昇させないから、物価調整の問題は、彼らがさらに状況を悪くさせるということである。」
「価格は、事実上、下落させられている。そうして、生産者は、製造レベルをすすんで維持したりはしない。」
「商品が既に不足している時に、さらに低いレベルで供給することは、不足をさらに強める。このようにして、価格に上昇を強いる。」
「(中国経済の前進のための主要なリスクは、)戦争や飢饉が起きたら、経済成長を減速させるだろう。しかし、それは短期的にそうなるだけである。そして、同じようなことでは、自然災害もあるだろう。」

−世界の少子高齢化による人口問題と中国経済に関して
「中国の30年間にわたる“一人っ子政策”は、人口を管理するために設計されており、近年では、いくぶん緩んできている。基準指標を下回る出生率低下の危険性はない。」
「人口問題は、日本とヨーロッパにおいて、さらにずっとずっと悪くなっている。そして、それは、やがてそれらの国を必ず直撃するだろう。」
「依然として長期間にわたるこの問題は、本気で解決するための努力をする必要がある。」
「例えば、ヘルスケアの改善が大変な長寿化を増進してきたように。また、指数曲線が平らな低出生率は、雇用者数を減少させて、膨れ上がる年金を鈍く減額させるようにしていく。」
「そうなったら、中国経済を痛めるだろう。」

−中国における最大の懸案問題に関して
「中国におけるかなり大きな問題は、水資源への限られた接近性の問題である。それは、中国がうまく対処しなければならない問題である。」
「私は、水がないせいで消失してしまった多くの街々や国々を見てきた。その問題の一部として、価格統制の問題がある。」
「価格は、人々に水の消費を減らすように十分には上げられなかった。」
「中国は、未来の水資源として、シベリアに目を向けているようだ。世界の新鮮な水の20%は、バイカル湖にある。バイカルとは、中国語で“北の海”(North Sea)を意味する“バイハイ”から名づけられている。」
「もしも中国が国内の水不足にうまく対処して成功しなければ、その時、中国は、確実に失敗する運命にある。」

−世界最大のアメリカ経済に関して
「アメリカは、かつて、世界中で最も富裕であり、最強であった大英帝国の道を後追いするだろう。」
「アメリカは、本当はもう破綻している。だから、私は、人々に米ドルからは脱却するようにアドバイスしている。」
「アメリカ経済にいくばくかの望みが残っているとすれば、アメリカ政府は、税法を変えて、膨大な告訴によって引き起こされた多くの問題を除去する必要がある。」
「また、告訴を減らすために、何かがなされなければならない。告訴は、膨大な量の資産を食いつぶしている。」
「例えば、我々は、GNP(国民総生産)の16%を、世界で22位という結果のヘルスケアの予算にまだ費やしている。」
「なぜ世界で22位(という低さ)かと言うと、膨大な量の政府予算が、訴訟に関する経費で無用に食いつぶされているからだ。」
「これらの直面する問題には、危機や小危機が数多くあるだろう。政治家が、そのような困難な観測を提案することで勝つことはできないだろうから。」
「ものごとは、しばらくの間だけは良く見えるかもしれない。米ドルは数週間か数ヶ月(一時的に)上昇するかもしれない。イラクからの撤退もアメリカを助けるだろう。」
「しかし、基本的な問題は残されたままだ。アメリカの人々は、貯金はしないし、投資もしない。貯蓄や投資よりも、消費だけで成功した国なんて世界中どこにもないのにね。」

−世界の商品市況に関して
「広い範囲にわたる商品市況は、ポジティブなままだ。」
「金(ゴールド)は、ここ数年間の値動きとしては、非常に良い値動きをしている。もしも我々がインフレーションを考慮すれば、金価格は、当然、1オンス=2000ドルを超えるだろう。」
「金価格は、必ずそのレベルまで上昇するだろう。それは、来年ではないかもしれない。しかし、次の数年間以内には確実にそうなるだろう。」
「農産物価格は、上がる余地があるだろう。」
「砂糖は、インフレ調整後の価格として、いまだに史上最高値を下回った80%のところにある。一方で、綿花は、史上最高値の40%下にある。」
「コメは、史上最高値で取引されているように見えるかもしれない。しかし、インフレ調整されれば、まだ史上最高値になっていない。」
(商品相場への膨大な量の投機資金の流入が商品価格を押し上げているという世間の批判に関しては)
「私の見方では、それは違う。今回のケースでは、マーケットの方が正しい。人々は、“コメの価格は正しくない!それはあまりに高い!”と言っている。では、実際問題、どこに市場に出せるコメがあるのか?」
「価格を上昇に追いやっているものは、ダイナミックに動く需給関係なんだ。」
「また、投資家は、石油や銅を、“全部”買ってはいない。ヘッジファンドの多くは、ショートサイド(売り方)で参加している。ニューヨークの大きなヘッジファンドの一つ、Ospraie Management LLC's Point Fundは、銅をショート(売り持ち)した。そうして、倒産した。 」

−有望な投資先やセクターに関して
「商品への投資は、誰もが接近しやすい。特にその指数(=インデックス・ファンドのこと)に関しては。」
「投資家は、商品(コモディティ)関連の株式よりも、むしろ商品指数(インデックス・ファンド)を買うべきだ。」
「商品指数(インデックス・ファンド)は、過去10年間で、300%以上の利益を出してきている。」
「それらは、運用期間の80%で、アクティブ運用ファンドをはるかに超えた利益を出している。また、あなたが選択すべき商品の数も豊富にある。」
「もしもあなたが人並み外れた株の選択眼を持っていなければ、商品指数(インデックス・ファンド)への投資こそ、行くべき道である。」

(出典)HedgeWorld.com
・HedgeWorld
(注意)※一般の方は読めません。
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ジム・ロジャーズ・アーカイブス 2006年・クラシック・ビジネス・デイ 「ジム・ロジャーズの水晶玉を覗いて見る」前半

ジム・ロジャーズ氏が、2006年クラシック・ビジネス・デイにて、インタビューされた発言集の完全版です。日本のある商品ブローカーのHPにも一部掲載されているのですが、掲載はなぜか半分までしかありません。インターネット上で日本語訳への全訳は、これが初めてです。長いので、2回にわけて掲載いたします。

クラシック・ビジネス・デイ,ヨハネスブルク(南アフリカ) 2006年5月

「ジム・ロジャーズの水晶玉を覗いて見る」前半

[説明]
ジム・ロジャーズ氏は、アメリカの超億万長者ジョージ・ソロス氏と一緒に、クァンタム・ファンドの共同創設者として、世間に有名になりました。この国際的ベストセラーの著者は、最近の商品に関する予言的意見により、一層、投資世界で熱狂的に賞賛され、その確固たる地位を得ました。以下は、現在(2006年)のマーケットの状況に関する、クラシック・ビジネス・デイにおけるインタビュー内容です。

リンゼイ・ウィリアムズ
「ジム・ロジャーズ氏は、何度かクラシック・ビジネス・デイに来ていただきました。そして、商品に対する彼の選好は、ものすごく正しいと分かりました。たぶんジム氏が考えた以上にさらに正しいかもしれません。」
「ジム!私が最初に言ったように、商品が上昇し続けています。それは、勢い(モーメント)を増しているように思われます。これらの動きは、あなたにとって全く驚きですか?」

ジム・ロジャーズ
「いいえ。商品市況は、過去7年半で3倍以上になりました。あなたは憶えているかもしれませんが、私は商品のインデックス・ファンドを、1998年8月1日から開始しました。その時以来、そのファンドは、おそらく250%上がっています。それは、かなり大きな上昇の動きです。しかし、7年半かかっているのです。」
「結局、すべての強気市場と同様に、5年、10年あるいは15年後に、私を含めて、みんな驚かされるでしょう。そして、私は強気とみています。強気市場とはそういうものなのです。誰がNASDAQが10倍以上に上がるだろうと、誰がシスコ株が株式の強気市場で100倍以上に上がるだろうと思ったでしょうか。しかし、それが強気市場で起きることなのです。」

リンゼイ・ウィリアムズ
「原油の強気市場から始めたいと思いますが、原油市場の強気相場は、1バレル=75ドルにとても近ずいている事が人々を驚かし続けています。原油は、まだ上昇し続けますか?」

ジム・ロジャーズ
「もちろんです。どう考えても上がります。いくつかの調整局面はあるかもしれません。いやあるべきです。しかし、インフレ率を(掛け合わせて)調整して下さい。すると、原油が1バレル100ドル以上であるべきなのです。」
「35年以上の間で、誰も巨大な油田を発見してきませんでしたから、原油はそのレベルに行くでしょう。原油は、ただ足りないだけなのです。たぶん、そこら辺に多くの原油はあります。しかし、誰もそれがどこにあるかはわかりません。誰かが何もかもを満たす、多くの新しい供給を達成するまで、価格は、驚くべきところまで上昇するでしょう。」

リンゼイ・ウィリアムズ
「インフレ調整後の価格の話として、ある人が、金価格は1オンス=2000ドル以上であるべきだと言っています。金価格は、現在、約650ドルです。あなたは、(金価格が)2000ドル近くまで行く機会があると考えていますか?」

ジム・ロジャーズ
「どの強気市場においても、また、歴史を通していかなる資産も、結局、ほとんど何もかもが新しい史上最高値を作るということに疑問の余地はありません。金(きん)の過去史上最高値は、インフレ率を調整していない数値で、875ドルでした。」
「それで、私たちは、900ドルあるいは1000ドルに行くことは確実だと思っています。そして、それは起こりそうです。私は、インフレ調整された後の基本数値で、2000ドルに到達するだろうと見ています。今年や来年ではなく、しかし、確実に次の10年間では、何もかもが驚くべきレベルに行くでしょう。」
「ところで、私はたいていの取引はしていますが、金に関しては、あまり強気ではありません。しかし、ほとんどの鉱山や、どの他の種類の鉱山も、掘り尽くされています。そして、それはすべての原材料で起きている問題なのです。」

リンゼイ・ウィリアムズ
「他の商品ほど、金に関しては強気ではないと、いつあなたは言いますか?それは、すべて関連しています。もしあなたの選んだ商品が金でなければ、それは何ですか?」

ジム・ロジャーズ
「私は、たった今すぐに一番良い商品はどれかということをあなたに言えるほど十分に賢くありません。もし私が(投資するための)新しい機会を探していたとしたら、農業分野を覗いて見るでしょうということは言えます。農産物は、歴史基準で見ると、大きくはほとんど上がらなかったところにあります。そして、プラスの根本的な変化が起こっているところでもあるのです。それで、私が見ているところなのです。」

リンゼイ・ウィリアムズ
「砂糖は、実に、とても良くなりました。私たちは、砂糖について、約6ヶ月前に話しておりました。昔の1ポンド当たり2.5セントという低い価格ではなく、その低い価格から1ポンド当たり約18セントまで上昇しました。とうもろこし市場は、まったく平らになっているように思われます。南アフリカでは、私たちはとうもろこしをメイズ(とうもろこしを呼ぶ専門語)と呼ぶのですが、とうもろこしは、あなたが選んだ(銘柄の)一つですか?」

ジム・ロジャーズ
「はい。私は、確かにメイズ(とうもろこし)を見ています。特にアメリカは、とうもろこしをエタノールへ変換するために、メイズに莫大な量の金額を投資しています。それに関しては、疑問の余地はありません。それは、不合理です。なぜなら、不経済ですし、それに、共和党員からいくらかの票を買うためのまさに莫大な補助金です。しかし、誰が(原料のとうもろこしを)育てるのか?私が好むと好まざるとに関わらず、彼らは、金(かね)を投資するつもりです。そうして、確実に、メイズにとっては、大きな絶好の投資機会になるのです。」

(後半へ続く)

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