ジム・ロジャーズの言葉スペシャル・『ジム・ロジャーズが語る―アメリカ株の回復には投資していない』

ジム・ロジャーズの言葉スペシャルです。英文は、オリジナル翻訳しています。

Barron's: Jim Rogers Isn't Buying a U.S. Stock Recovery
バロンズ:『ジム・ロジャーズが語る―アメリカ株の回復には投資していない』

(Barrons.com: John Kimelmanによるインタビューで)

−あなたは、1年前、バロンズマガジンで長いインタビューを最後にした時、新興国への投資を軽くしたと言いましたね。あなたはその一つを正しく呼んでいた。しかし、今や、新興国市場の多くは、最近数年間の高値から下落しています。あなたは、さらに楽観的ですか?
「いいや。私は、中国株を除くすべての新興国株式を売ってしまった。私は、パニックの間の(2008年の)10月と11月に中国株をさらに買い増しした。しかし、その時以来、中国株と、アメリカ株を含むどの他の株式も買っていない。現在は、中国のどの株式も買っていない。中国株式市場は、昨年の11月以来、おそらく50%上昇したからだ。過去6ヶ月間で、世界でも最強の株式市場になっている。私は、もう上がってしまった株式市場に飛び乗るのは好きではない。依然として、私は、これらの中国株を売ることは考えていない。もしも中国株が下落すれば、私は、さらに買い増すだろう。あなたは、中国株式市場が、昨年の秋以来、世界でも単一の最強市場であることがわかるだろう。」

−あなたの最近の著書(英訳された「娘に贈る12の言葉」のこと)の中で、あなたは、まさに20世紀のアメリカのように、中国は21世紀の最高の投資機会であると言っていますね。典型的なアメリカ人投資家のポートフォリオは、中国に対して、どのくらいのパーセンテージにすべきでしょうか?
「もしも彼らが地図上で中国を見つけることができなければ、彼らは、中国に一つも投資すべきではないと思う。彼らは、中国に投資する前に、中国について何かを知るべきである。もしも彼らが、私が持っているのと同じくらい確信を持ったら、その時、彼らは、中国株に多く投資するべきだ。もしもあなたが1909年にその質問を私に尋ねたとすれば、あなたの資金を100%、アメリカに投資すべきだと言っただろう。」

−アメリカ株よりも、中国株にさらに分散投資され、重きを置かれた方が意味を成すということですね?
「そのとおり。もしもあなたが中国にいるドイツ人だったら、まさに1909年であれば、あなたの資金の大半のパーセンテージをアメリカ株に投資すべきだろう。投資するという考えは、利益を上げることだ。ある種の政治的な扇動を持つことではない。」

−それは言われているとおりですが、あなたは、現在、中国株は上がり過ぎていると思っています。そうして、これらの水準では、あなたは、買っていません。それでは、あなたが、最近、買っているものは何ですか?
「私は、自分が開発したロジャーズ国際商品指数(RICI)を通して、商品を買っている。私の弁護士が、私に個別の商品を決して買わせてくれないからだ。私は、最近、4つのロジャーズ商品指数すべてを買った。つまり、ロジャーズ国際商品指数(RJI)、そして、3つの専門指数であるロジャーズ国際商品指数−メタル(RJZ)、エネルギー(RJN)、アグリカルチャー(RJA)のことである。それが、私がどのように商品に投資しているかということであり、それが、先週、私が買ったものである。昨年の秋以来、先週まで、これらの商品を買ってきている。」

−あなたは、昨年、新興国株式市場がかなり下落する前に、新興国投資から脱出しましたが、あなたは、商品価格の暴落による驚きにとらえられたようですね。それは、正しいですか?
「うん。驚いたよ。商品がそんなに下落するなんて期待していなかった。思い返すと、それは、多くのプロフェッショナルの投資家に対する強制的清算(換金売り)の期間だった。AIGも破産した。それは、商品市場においても甚大だった。リーマンブラザーズは、商品市場で大きな一角を占めていた。」
「しかし、私は、少なくとも、当時、投資銀行株や例えばシティグループやファニーメイのような他の金融機関株をショートしていた。そうして、私は、商品をロングすることでヘッジしていた。そして、例えば、金融機関のような他のものをショートしていた。そして、それらは、80-100%も下落した。そして、私は、ロングで損失を出した以上にショートで利益を上げることができた。ありがとう!シティグループ。ありがとう!ファニーメイ。」

−今や、3月に始まった株式市場の上昇にもかかわらず、多くのアメリカ株式は、2007年の高値をうまく越えて取引されています。
「私は、主にアメリカ企業を買っていない。我々はまだ大底を見るかもしれないと思っているからだ。しかし、我々は大底を付けたかどうかはわからない。来年から2-3年間の世界経済とその上昇には懐疑的である。しかし、もしも株式が下落すれば、私は、商品で利益を上げることができる。1970年代には、たとえ株式は壊滅的であったとしても、商品はぐんぐん上昇していた。1930年代には、商品は最初に上昇した。そして、株式が牽引する前に、最も長期にわたり上昇した。」

−商品についてのあなたの強気の理由を要約することはできますか?
「それは、需要と供給に依存している。我々は、供給不足を経験している。誰も、25-30年間に生産能力に投資してこなかった。食糧在庫率は、過去50年間で最低である。たいていの農家は老齢であり、農業は過去30年間で恐ろしいビジネスであったから、あなたは、現在でさえ、農家の不足に遭っている。金属に関しては、知ってのとおり、誰も鉱山を開設するためのローンを組むことができない。誰があなたに亜鉛鉱山を開設するための資金を与えてくれるだろうか?鉱山を開設するには、少なくとも10年はかかる。我々が、現れる新鉱山を見る前に、15-20年かかるだろう。誰も、過去30年間で鉱山を開設していない。そして、それらは、今も開設されないだろう。そして、同時に、備蓄も減少している。原油に関してだが。国際エネルギー機関(IEA)は、最近の研究で、世界の原油の確認埋蔵量は、1年に6-7%の割合で減少していることを明らかにした。」
「しかし、それは、もしもアメリカが突然破産したらということや、何もかもの価格が崩壊しないということを意味していない。私だったら、むしろ商品に投資するだろう。なぜなら、商品はファンダメンタルズが改善しているとわかる唯一のものだからだ。シティグループ(Citi)やゼネラルモーターズ(GM)のファンダメンタルズは改善していない。しかし、私の見方では、商品の供給状況から見れば、需要が回復してくる時に、商品は最良の場所にいるだろうということだ。」

−あなたは、債券についてはどう思いますか?
「私は、債券のショート(売り)で市場参加している。アメリカの長期国債(T-Bond)だ。それは、私が現在見ることのできる中で、米ドルなどの他におそらく唯一本物のバブルである。私は、日々、数多くのバブルをショートしてきたので、今すぐには、債券をショートしていない。どの合理的な人々も参加できるほど、債券相場は高くなっているので、私は、待つ方が良いということを学んだ。しかし、私の計画では、いつか予見できる将来にアメリカ長期国債(T-Bond)をショートすることである。」

−破綻したアメリカ企業を救済することは間違いであり、それは、このリセッション(景気後退)を長引かせることや、最近の2代にわたる大統領府の好みであるとあなたが思っていることを、私は読みました。これらの企業を破綻させることが最良であるとあなたは言っていますね。この経済は、いかに悪くなるのでしょうか?
「政治家たちは、間違いを犯している。日本では、この問題は19年間も続いた。アメリカでは、この問題は19年間も続かないことを期待している。うまくいくアプローチは、アメリカの銀行と自動車メーカーを破綻させることだ。そうして、金融システムが掃除される。偽の会計が解決法であるという考えは、ばかげている。債務の問題と行き過ぎた消費の問題をさらなる債務とさらなる消費で治癒されるはずだという考えは、ばかげている。」
「明白過ぎて、笑ってしまう。しかし、政治家たちは、何かをしなければならないと思っている。あいにく、彼らは、間違ったことばかりしている。そして、彼らは、物事をさらに悪くさせるのだが。」

(完)

(出典)barrons.com
・Jim Rogers Isn't Buying a U.S. Stock Recovery

ジム・ロジャーズ「中国の時代」
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